2020-12-05
マイクログリーン
マイクログリーンとは? | 田源株式会社 公式ブログ
海外で盛り上がるマイクログリーン
マイクログリーン(Microgreens)という言葉は、まだ日本では耳慣れない言葉ではと思われます。海外では、普通名詞として一般的に知られています。
『マイクログリーン』(マイクロリーフやマイクロハーブと呼ぶこともありますがほぼ同じものです。のちほどご説明いたします)についてお話する前に、『スプラウト』についてお話します。
『スプラウト』とは?
日本語での定義は国内のスプラウト生産者によって組織される生産者団体日本スプラウト協会によるスプラウトの定義では、
「スプラウト」類とは、主に穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽で、
発芽した芽と茎を食用にするものを指す。
また、広辞苑によるスプラウトの定義では、
スプラウト[sprout]
〘名〙 新芽。特に、食用とする植物の新芽。芽キャベツ・モヤシなど。
WIKIPEDIA日本語版によるスプラウトの定義では、
スプラウト(英: Sprout)とは、主に穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽で、発芽した芽と茎を食用とする。発芽野菜または新芽野菜ともいう。
スプラウトには生育の仕方によってモヤシなどの「もやし系」とかいわれ大根などの「かいわれ系」がある。
英単語のsproutに由来するが、英語での意味としては日本語のスプラウトの他に、そもそも芽全般や、芽キャベツを意味する事もある。
と掲載されています。
それでは、英語ではどのように定義されているのでしょうか?
WIKIPEDIA英語版よるスプラウトの定義では、
Sprouts are germinated or partially germinated seeds.
A sprout consists of the seed, root, stem, while microgreens are harvested without the roots.
(スプラウトとは種子の発芽した状態、または部分的に発芽した種子のこと。種子、根、茎から成る 。
マイクログリーンは根を切って収穫する。-筆者約-)
Oxford英語辞典よるスプラウトの定義では、
1.(also Brussels sprout, Brussel sprout)
a small round green vegetable like a very small cabbage
((または、芽キャベツ)大変小さなキャベツのような小さく丸い野菜-筆者約-)
2.a new part growing on a plant
(植物の新芽-筆者約-)
『マイクログリーン』とは?
マイクログリーンの非常に高い栄養価が注目のきっかけに
マイクログリーンという言葉は、アメリカ・カルフォルニア州南部で1980年代より、幼葉野菜のことを指し示す言葉として使い始まったとされています。
このマイクログリーンが注目されるようになったのは、2014年1月に、アメリア農務省のプレスリリースで、非常に栄養価の高い野菜だとし、さらなる研究が必要とされると公表したことに始まります。
プレスリリース冒頭に
“Microgreens” is a marketing term used to describe tiny, tender, edible greens that germinate in soil or a soil substitute from the seeds of vegetables and herbs. Smaller than “baby greens,” and harvested later than “sprouts,”
(マイクログリーンは、土または、土に相当する培地を使い栽培し、スプラウトより長く栽培し、ベビーグリーン(日本ではベビーリーフと呼ばれる)より小さい-筆者約-)
と定義されています。
世界中で急増したマイクログリーン生産者
2014年以前では、アメリアでもスプラウトとマイクログリーンを混同されることも多くありました。昨今の情報化社会、SNS社会となった時代、世界中にマイクログリーン生産者が事業を始めるとともに、インターネット上に栽培方法について、資材について、販売チャンネルについてなど、様々な情報交換がスピーディになされるようになり、そのような場でマイクログリーンがどのような幼葉野菜であるのかが明確になりました。
このようにして世界中に増加したマイクログリーン生産者ですが、アメリカ農務省のプレスリリース以前では大規模な生産者がアメリカ、イギリス、カナダ、オランダに合計6軒であったが、現在では、小規模な生産者を含めるとアジア各国、中東諸国、中南米諸国、ヨーロッパ各国へと広がり世界中数えきれないほどになりました。
インターネット上にあるスプラウトとマイクログリーンの違いについて、よく使われている説明では、野菜、豆類、穀物類などの栽培における成長段階を例に挙げていることがございます。
マイクログリーン、マイクロハーブ、ベビーリーフの栽培期間の長さが一定でないのは、種子により発芽するのに時間がかかる品種があったり、成長速度が遅い品種があるからです。
アブラナ科の野菜やマメ科の野菜は播種後1日後に発芽しますが、セリ科やしそ科の野菜、イネ科植物は播種してから発芽するまで1週間から10日間かかり、また成長速度もゆっくりです。
日本と海外で『スプラウト』と『マイクログリーン』の定義の違い
スプラウトとマイクログリーンの違いを上記のようにご説明した理由は、マイクログリーンが日本でまだ認知度が低く、
そして、
日本語の『スプラウト』という単語と英語の『Sprouts』という単語に意味のズレが発生しているからです。
意味がズレが生じた原因
意味のズレの原因の一つにブロッコリースプラウトの普及時期において、日本独自の戦略があったことが挙げられます。ブロッコリースプラウトは、アメリカにおいて1990年代中頃に栄養価の高い野菜として大ブームになりました。
その余波を受け、日本でも2000年頃より作られるようになりました。
アメリカで作られていたブロッコリースプラウトは、もやし型のスプラウトでした。
その状態のまま、日本で普及させることは難しいと判断した生産者が、商品名はそのままブロッコリースプラウトとして、かいわれ型に改良し販売開始しました。
さらに、
近年の(かいわれ型の)ブロッコリースプラウトに含まれる栄養素に注目が集まり、ブロッコリースプラウトを含めたスプラウト類はかいわれ大根のような姿をした幼葉野菜として日本では認識されるようになりました。
その結果、日本語の『スプラウト』という単語と英語の『Sprouts』という単語の日本語と英語の各単語の意味にズレが発生いたしました。
その日本語と英語のスプラウト/Sproutsの定義を図表に
弊社は、国内において、かいわれ大根・スプラウトの生産者と長きにわたりお取引をさせて頂いた中で、スプラウトとSprouts、そしてマイクログリーンのそれぞれの日英両語での使い方を図表に致しました。
ご覧のように、日本語のスプラウトと英語のSproutsでは定義に差が発生しています。
英語の定義
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英語商品名 |
日本語商品名 |
日本語の定義
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①栽培方法 |
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②栽培日数 |
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Sprouts |
Mug Bean Sprouts,
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もやし 等 |
もやし |
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①水のみで栽培。 |
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②暗室にて栽培日数5₋6日 |
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Broccoli Sprouts,
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もやし型ブロッコリースプラウト、
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スプラウト |
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①水のみで栽培。 |
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②弱光下にて栽培日数3-5日 |
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Microgreens |
Radish Microgreens
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かいわれ大根ブロッコリースプラウト豆苗
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①土または土の代用培地を使い密植栽培、
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②ハウスにて栽培日数6-20日 |
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Micro Basil,
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バジルマイクロハーブ、
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マイクロハーブマイクロリーフ
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①土または土の代用培地を使い密植栽培、
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②ハウスにて栽培日数14-30日 |
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Babygreens |
Babygreens Mix |
ベビーリーフミックス |
ベビーリーフ |
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①土または土の代用培地を使い栽培、
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②ハウスにて栽培日数10-30日 |